涌井秀章は非常にいいピッチャーでした。2勝9敗とはいえ小林宏之とのエース対決は非常に見ごたえがありました。涌井は160球とのことですが、9回にこの日最速のストレートを投げ込む恐ろしいスタミナと集中力は同じ背番号の先達に限りなく近づいているようにさえおもえます。
背番号といえば、西武は期待の若手に惜しげなくチームの顔となる番号を与えて、ほとんどが主力に成長しているわけで、その育成と発掘の力には脱帽するばかりです。
本日、すばらしかったのはもちろん涌井ですが、受けていた銀次郎選手のキャッチングは出色でした。7回にはじめてランナーを3塁に背負ってからもチェンジアップをどんどんなげさせてショートバウンドをすべて見事に処理していました。

マリーンズは竹原、井口、ベニーが見事に右肩下がりでストレートに振り遅れていて、ちょっと手も足も出ないかんじ。あえて、といえば7回1アウト2塁に代走の早坂で福浦の三遊間のときに、セオリー通りに「自分の前の打球」でストップしましたが、点差と相手ピッチャーを考えれば「ゴロゴー」でホームを狙ってもよかったような・・・。それが代走に期待される仕事だとおもいます。
小林宏之はいつも苦しむ変化球のコントロールが定まっていたため、ほんとうに安定してました。カメラからの画では涌井も同様ですが、チェンジアップとおもわれるボールが向かい風の影響か、尋常ではない軌跡を描いていました。成績はついてきませんが、まだまだ一線級のピッチャーだと確信してます。

閑話休題。知人で甲信越にある野球の名門校出身の方がいます。その方は世代的に渡辺久信監督と対戦経験をお持ちで、前橋工業当時の渡辺監督の武勇伝を聞かせていただいたことがあります。また、涌井が指導を受けた横浜高校渡辺元智監督のアレな話しも聞かせていただきました。いま、甲子園では高校野球真っ盛りですが、そこからプロの道に進もうとするならよほど突出していないとダメだとよくわかったそうです。

さて、サイン会ですが、二手にわかれて、渡辺俊介、唐川組と、小野晋吾、新人の上野組。選択権はなく、わたしは小野・上野組となりました。前後の方々の落胆の声があがったことは公然の秘密ですが、巷間いわれておりますように、小野晋吾投手の人柄はプロスポーツ選手の鑑といえるものでした。上野投手は、「新人のころにサインもらったんだよ」と自慢できるようなピッチャーになってほしいです。